チーム・マネジメント

有人宇宙の運用管制から、チームマネジメント、人間-機械システム、そしてヒューマンファクターズを考える

チームビルディング

新たなことを生み出す力【イノベーション】

イノベーションの機会は通常、現場に近いところで見出される。それは、計画屋が対象とする膨大な総体ではなく、そこから逸脱したもののなかに見出される。予期せぬ成功や失敗、ギャップ、ニーズ、「半分入っている」から「半分空である」への認識の変化に見…

集団に群れる心理、集団となることで危険なこと 【集団思考】

集団(Group)は、人々が集まった団体であり、ある機能(生産的である必要はありません)を持っています。そして、所属する構成員の間において相互依存の関係があることも特徴です。歴史は人が群れ(集団)を作って行動してきたことを物語っており、集団では漠…

チームの利点である自由度や可変性を活かせるか? 【チーム構成】

チーム構成は、自由度が高いため、様々な組織を組むことができます。その自由度・柔軟性がチームの特徴であり、目的を達成するために最も適した方法をも模索し、外部環境の変化にも応じて、チームは適応していく能力を持ちます。ただし、自らの組成力、その…

我々が進む道を自ら定めて更なる高みへ【ミッション】

われわれは月へ行くことを選びます。この10年のうちに月へ行くことを選び、そのほかの目標を成し遂げることを選びます。われわれがそれを選ぶのは、たやすいからではなく、困難だからです。この目標が、われわれの能力と技術のもっとも優れた部分を集め、そ…

24時間/365日を闘い続けるチーム 【シフト勤務】

私たちのように24時間/365日に渡ってシステムを監視する業務に関わらず、病院や介護施設などで命を見守るため、更には効率性や利便性を追求して、交代勤務で業務を進めることも珍しくなくなってきました。 交代勤務では、徹夜といった一時的な対応と異なり、…

エースに求められる風格 【規範】

心が変われば態度が変わる。態度が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。運命が変われば人生が変わる。チームや組織の部署において明確な役職とはなっていませんが、エース(Ace)とい…

チームを団結させるためにも 【チームロゴ】

チームがミッション(共通目標)を達成するため、チームとして一体感を持つ必要があります。メンバーの価値観を共通できればチームの団結力は強まると思いますが、人それぞれ様々な価値観を持っており、観念だけでチームをまとめるためには長い時間をかけて…

日本の航空史から何を学ぶのか? 【海軍の教え】

目的を持った人の集まり(組織) すなわち チームを考えるにあたり、歴史から学ぶことも多いです。航空宇宙を学んでいると、零戦(零式艦上戦闘機)が登場して、零戦の主任設計者が堀越 二郎氏であることはよく聞かされました。その後に文献を読んで知ったの…

栄光の歴史を重ね、築き上げられてきた言葉たち 【信条】

マーキュリー計画、ジェミニ計画、アポロ計画を通じて築かれ、受け継がれているNASA運用管制官の信条(Credo)があります。ヒューストンにある管制センターのいたる所に掲示され、ミッション管制の設立趣旨(Foundations of Mission Control)とも呼ばれています…

空を飛ぶために 宇宙へ向かうために 【シミュレーション技術】

シミュレーション(Simulation)とは「システム挙動をほぼ同じ法則に支配される他のシステムまたはコンピュータによって模擬すること」を意味します。航空の分野でも古くから活用されています。例えば、航空機の空力特性を計測するため、実機サイズに対する実…

現代における技術継承を再考する

日本語で『技術』と言うと、「物事をたくみに行う技巧」から「科学の理論を実際に応用し、自然を人間生活に役立つように利用する手段」までの広い意味を含んでいます。技術に訳される英単語を列挙してみると、テクノロジー (Technology)、エンジニアリング (…

チームにおける権威とは 【権威勾配】

チームで活動するにあたり、リーダーにはフォロワーを追従させる権威(Authority)が与えられることになります。リーダーが専門知識や技術に秀でており人格も優れていれば自然と権威を伴いますが、リーダーと言う名だけの権威でチー ムを引っ張っていくには無…

会話における第一人称の重要さ

チームとして活動しているとき、何気ない会話においても第一人称の使い方でチームとして一体感が出たり、コミュニケーションに壁ができたりします。特に作業場所が隔てられ、音声のみで調整する場合には、特に第一人称を意識して会話することが重要です。宇…

チームとしての訓練 【クルー・リソース・マネージメント】

チーム育成を考える上で、航空分野で進められている取り組みから学ぶことが多いです。その中でも、航空事故の教訓からクルー・リソース・マネージメント(CRM: Crew Resource Managment)が生み出され、CRMに基づいた訓練は個人のスキルアップを目指した従来型…

人間を育てる難しさ 教えるのか? 学ばせるのか?

やってみせて、言って聞かせて、させてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。 連合艦隊司令長官 山本 五十六 教育や人材育成は組織にとって…

チーム・ミーティングを反省する

会議・ミーティングが好きな人もいるかもしれませんが、私は現場の仕事に集中したいので、なるべく出席したくありません。退屈な会議ならば貴重な時間が奪われて行くような気がしてなりません。実際に一つの会議を開催すれば、(時間)×(人数)×(時給)で計算さ…

リーダーシップだけで大丈夫か?

チームが機能するためには、リーダー(Leader)を選出して、リーダーの指揮の下で目標に向かって活動していきます。そのため、チームを率いるリーダーシップ(Leadership)が必要です。そのような一般的なリーダーシップ論はその通りだと思います。ただし、現場…

腕時計には不要な部品は無い 【チームの力】

チーム(Team)という用語は広く使われていますが、再確認してみると「ある目的のために活動を同じくする人々の集まり(明鏡国語辞典)」との定義が私の理解と最も一致しています。キーワードとなるのは「ある目的のために」であり、「使命のために」、「ミッ…