チーム・マネジメント

有人宇宙の運用管制から、チームマネジメント、人間-機械システム、そしてヒューマンファクターズを考える

2018-01-01から1年間の記事一覧

【惨事(Tragedy)】 コロンビア号 空中分解事故

2003年2月1日、世界に衝撃が走りました。7名の宇宙飛行士(Rick D. Husband, William C. McCool, Michael P. Anderson, David M. Brown, Kalpana Chawla, Laurel Blair Salton Clark, Ilan Ramon)が搭乗して地球へ帰還途中であったスペースシャトル コロン…

新しい時代には新しい資質が求められるのか 【正しい資質】

ライトスタッフ(Right Stuff)とは、ある分野・状況に不可欠な資質、必要な条件(勇気・自信・信頼性、忍耐力、大胆さなど)を表す言葉です。トム・ウルフ(Tom Wolfe)が著したドキュメンタリー小説「The Right Stuff」が1979年に出版され、1983年には映画にな…

プロフェッショナルとしての1万時間の壁 【ベテラン】

経験を積んで、その道に熟達している人をベテラン(veteran)と呼んでいます。米国において単に"Veteran"と呼んだ場合、退役軍人を示し、日本語の古兵(ふるつわもの)が英語の意味とも一致しています。我々が通常使っているベテランはどちらかと言うと和製英…

不可逆的選択に対する最終決定【Go/No Go】

意思決定において、行動を決行するのか、中止するのか、判断に迷うことがあります。失敗が判明した後に元の状態に戻れるならば、先ずは実行してみて反応を見ることができます。失敗と判れば、直ぐに引き返し、影響は最小限に抑えられます。しかし、不可逆的…

生身の身体で宇宙へ挑むことができるのか 【サイボーグ】

人間は宇宙船の助けなしで宇宙では生存すことはできません。超真空の宇宙空間では、身体を構成する体組織も瞬時に分解して蒸発してしまいます。気圧を保つ容器(Capsule)内に留まることが必須となります。呼吸を維持するためには、酸素の供給を受けて、吐き出…

不確実の高い世界を生きていく 【VUCA】

世界中が混沌として見通しが立てられなくなってきました。全てが目先の短期的な利益だけを求めて動いているようです。ICT(情報通信技術)が発展して、世界中を情報が駆け巡り、世界は狭くなった感じがします。地球の裏側で生じた事件が身近な生活までも脅か…

地球・生命にとって最も重要な要素 【水】

「水五訓」一、自ら活動して他を動かしむるは水なり一、障害に遭って激しくその勢力を百倍にして得るは水なり一、常に己れの進路を求めてやまざるは水なり一、自ら潔うして他の汚濁(おだく)を洗い、清濁(せいだく)併せ容れるは水なり一、洋々として大海…

【惨事(Tragedy)】 ソユーズ1号事故

1950年代から1970年代、覇権をかけて宇宙開発競争(Space Race)をアメリカ合衆国とソビエト連邦の間で繰り広げられました。第二次世界大戦において実戦配備したロケット技術をドイツ(ナチス)が保有していました。ドイツ敗戦後、ロケット技術を米国とソ連が…

システムは管制官の頭脳の中にある 【システムハンドブック】

宇宙機(Spacecraft)を運用するということは、手元にない見えないシステムを理解し、システムの挙動を想像して、指令・コマンド(Command)を送り、その反応を遠隔データ・テレメトリ(Telemetry)から判断する必要があります。そのようなシステム運用の担い手が…

情報通信技術(ICT)における技術革新を再考してみると 【知能】

正しいプログラミング(またはコード)を書いてあげれば、コンピュータは人間以上に正確に単調な計算も処理することができます。プログラマ(人間)が指示したことを実行するため、間違えること(バグ)も指示した通りに実行されます。IT(Information Techno…

生命を実体化させる力 そして 継承 【遺伝子】

原始の生命が彗星に乗って地球に到来したことについて述べました(以前の記事)。生命とは何であるかという問いについて明確な定義はありません。ジョイス(Joyce)の定義、コシュランド(Koshland)の定式化などが提唱されています。事実が物語っているのは、生…