チーム・マネジメント

有人宇宙の運用管制から、チームマネジメント、人間-機械システム、そしてヒューマンファクターズを考える

教育・訓練

新たなことを生み出す力【イノベーション】

イノベーションの機会は通常、現場に近いところで見出される。それは、計画屋が対象とする膨大な総体ではなく、そこから逸脱したもののなかに見出される。予期せぬ成功や失敗、ギャップ、ニーズ、「半分入っている」から「半分空である」への認識の変化に見…

プロフェッショナルとしての1万時間の壁 【ベテラン】

経験を積んで、その道に熟達している人をベテラン(veteran)と呼んでいます。米国において単に"Veteran"と呼んだ場合、退役軍人を示し、日本語の古兵(ふるつわもの)が英語の意味とも一致しています。我々が通常使っているベテランはどちらかと言うと和製英…

システムは管制官の頭脳の中にある 【システムハンドブック】

宇宙機(Spacecraft)を運用するということは、手元にない見えないシステムを理解し、システムの挙動を想像して、指令・コマンド(Command)を送り、その反応を遠隔データ・テレメトリ(Telemetry)から判断する必要があります。そのようなシステム運用の担い手が…

個人の考え、思想を変えることができるのか?【意志】

自分と他人を分ける自己を認識し、自ら行動する主体として自我が形成されます。哲学や心理学における問いの始まりかもしれません。デカルト(Descrartes)の『我思う、故に我あり』、パスカル(Pascal)の『考える葦』として示されています。哲学を語るほどの教…

情熱を秘めて、目標を実現させる力 【モチベーション】

仕事、スポーツ、そして勉学においても、モチベーション(Motivation)が重要視されることが多くなってきました。モチベーションが高ければ、強い動機づけを受け、物事を行う意欲が高まります。しかし、常時高く維持するのは困難であり、低下している時には何…

空を飛ぶために 宇宙へ向かうために 【シミュレーション技術】

シミュレーション(Simulation)とは「システム挙動をほぼ同じ法則に支配される他のシステムまたはコンピュータによって模擬すること」を意味します。航空の分野でも古くから活用されています。例えば、航空機の空力特性を計測するため、実機サイズに対する実…

現代における技術継承を再考する

日本語で『技術』と言うと、「物事をたくみに行う技巧」から「科学の理論を実際に応用し、自然を人間生活に役立つように利用する手段」までの広い意味を含んでいます。技術に訳される英単語を列挙してみると、テクノロジー (Technology)、エンジニアリング (…

チームとしての訓練 【クルー・リソース・マネージメント】

チーム育成を考える上で、航空分野で進められている取り組みから学ぶことが多いです。その中でも、航空事故の教訓からクルー・リソース・マネージメント(CRM: Crew Resource Managment)が生み出され、CRMに基づいた訓練は個人のスキルアップを目指した従来型…

暗記ではなく行動の記憶 【スキル】

知識が価値を生む時代になり、情報やデータが重要視されるようになりました。科学技術の発展を受けて、膨大なデータを蓄積・処理できるようになり、ニュース等でもビッグデータというキーワードが頻繁に使われています。その広大なデータの海から必要な情報…

人間を育てる難しさ 教えるのか? 学ばせるのか?

やってみせて、言って聞かせて、させてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。 連合艦隊司令長官 山本 五十六 教育や人材育成は組織にとって…