チーム・マネジメント

有人宇宙の運用管制から、チームマネジメント、人間-機械システム、そしてヒューマンファクターズを考える

前向きな姿勢、上を向いて 感謝を忘れず 【感謝】

 深刻なニュース、批判的なニュース、消沈させるニュースが飛び交い、我々の気持ちも暗くなりがちですが、だからこそ意識して前向きな気持ちを心掛けないといけません。色々な人達の発言を聞いていると、望んでいる/いないに関わらず、自分が考えていることが実現してしまいます。希望が実現するならば嬉しいことですが、無意識に抱いている悲観的な思いが現実になってしまえば手遅れです。
 これほど技術が発達して、知識が最も重要に思えても、人間の考え方や感情は私たちが思っている以上に将来へ影響を与えています。悲観的な考え方や感情を内に秘めているだけで、その思いが言葉として そして 態度として現れ、悲観的な結果を生み出します。自らの感情をコントロールする術(すべ)を身につけること、意識することが大切になってきます(以前の記事)。
 前向きといっても、ただの楽観とは違うのかもしれません。現状のように不確実性が高い時代では、楽観だけで思ったようになることは少ないです。ただの楽観では、その後に期待に裏切られて、真っ逆さに落ちて悲観的になってしまいます。目の前に壁があっても、自分たちの力で乗り換えられると確信して、壁に小さな突起を見つけて掴んでも登り、高みを目指するが本当の前向きな姿勢かもしれません。
 チーム活動においても否定的な気持ちを持ちこまないように、自分の言動に注意が必要です。日本語には「ありがとう」という澄んだ綺麗な言葉があります。「ありがとう」という感謝の気持ちを忘れなければ、間違いはないかもしれません。痛烈な批判に曝されても、自分のために指摘してくれるのだと受け取れば、前向きな関係が維持できます。リーダーならば、フォロアーが意見を申し出てくれるならば、感謝して受け入れるべきでしょう。もし自己防衛のために批判に対して反論してしまっては、その後に問題が起きた時に誰も提言してくれず、重大な事件や事故に繋がるかもしれません。
 私も経験がありますが、忙しい時に良く考えないで、その場のみの対応をしてしまい、その後失敗したと思ったことがあります。目の前の作業に追われながら、メンバーから相談を受けたとき、耳で聞いて回答していました。でも、頭と手は作業を続けてしまいました。逆の立場であったらどう感じるでしょうか? その反省から、意見を頂いたり、指摘を受ける時は、意識して自分の姿勢を正して、相手の方に向いて話を聞くことを心がけています。
 「人々は変化に抵抗するのではなく、変化されることに抵抗する」と言われますが、自ら選んだことならば変化を受け入れやすいかもしれません。知識は重要と思いますが、常時ネットワークに接続されているならば、少し調べればわかる知識の価値は小さくなってきました。とにかく知識を暗記する時代から、正しい考え方や正しい習慣を身につけることが貴重になってきているのではないでしょうか。

 

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参考文献

  1. 7つの習慣-成功には原則があった!
  2. ビジョナリーカンパニー4 自分の意志で偉大になる
  3. クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法
  4. パイロットが空から学んだ一番大切なこと