チーム・マネジメント

チームマネジメント、人間-機械システム、そしてヒューマンファクターズを考える

決める前に再確認しておくべき 【意思決定を歪める罠】

人間が意思決定を行うに当たり、時間制約や情報制約(未確定な情報)もあり、冷静で客観的に判断できないことも多いです。そのため、意思決定のスピードは遅くなりますが、所定のプロセス(稟議、会議に諮る等)を経て、個人的な判断から組織的な判断としての集約が図られます。(以前の記事 決定事項よりも決定プロセス 決断遅れのリスク 【意思決定】 - チーム・マネジメント

それでも、意思決定を歪める罠(trap)として、8つの要因が識別されており、事前に知っていれば過ちから逃れることができるかもしれません。

「アンカリング(固定化)」の罠
アンカー(Anchor)は錨(いかり)のことであり、固定化することです。何か意思決定を下そうとする時、人間は一番最初に得た情報にこだわってしまいます。第一印象のバイアスはかなり大きいことを認識しておく必要があります。

「現状主義」の罠
日常の些細な決定でもそうですが、現状維持という選択肢があがってきます。特に緊急性や危機感がなければ、安易に現状維持という意思決定がなされます。これは意思決定を先送りしたり、何もしなかった結果となる可能性があります。

「埋没原価(回収不可能な過去の投資)」の罠
過去の意思決定に引きずられ、現状では意味を持たない、実際には不利益を得ているにも関わらず、自分の中では理由付け、正当化して、客観的に冷静に考えれば選択しない意思決定をしてしまいます。

「ご都合主義」の罠
最初に閃いた直感を信じて、その直感を裏付ける情報のみで補強して、否定する内容や反対意見を受け入れず、自らの都合だけを考えて意思決定を行ってしまいます。

フレーミング」の罠
問題をフレーミング(視点・枠組み設定)に当てはめて、問題解決を図る手法が広く知られています。フレーミングすれば、問題は解決され、意思決定も自動的に決まるような気がします。しかし、選択したフレーミングが間違っているかもしれないし、考慮すべき制約条件が抜けているかもしれません。

「自信過剰」の罠
意思決定の為に検討した結果に対して自信がなければ最終判断できませんが、自信過剰までなってしまうと、リスクを見落としてしまったり、想定通り進まなかった場合の対応策が不十分となってしまいます。

「安全第一主義」の罠
最悪のケースを想定して、そのケースの発生確率が無視できるほど小さくても、全てに安全策を講じようとすると膨大なコストが必要となります。そして、リスクはほぼゼロになったとしても、現実性はない意思決定になってしまいます。

「偏った記憶」の罠
過去の出来事に関する記憶に頼って、その延長で今後の予測を立てることがあります。記憶は、一部のみ鮮明に残っていたり、意思決定に重要なことが忘れているかもしれません。意思決定の基礎にするには、メモやノートなどで記憶の裏をとったり、他人と記憶を照合したほうが良いです。

将来を左右する程の意思決定までではないですが、これまで様々な決定をしてきました。振り返ると多くの罠に引っかかってきました。これからは、8つの項目に対して確認しながら行動に移るようにしたいです。

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