チーム・マネジメント

チームマネジメント、人間-機械システム、そしてヒューマンファクターズを考える

現代を生きるには避けて通れない 【ストレス】

我々は、気付いてみれば、何時からかストレス(Stress)と言う得体の知れないものを感じるようになってきました。確かに、未だストレスを直接見たこともなければ、どこに存在するかもわかりません。

ストレスの語源は「ゆがみ」「ひずみ」「重荷」などを意味しています。特に心身に生じるひずみを示し、それに対する防衛反応も含みます。ストレスの原因となる刺激(Stressor)として、物理的刺激、化学的刺激、生物的刺激、心理的要因がありますが、現代では心理的な側面が大きく取り上げられています。

心理的ストレスは、思い描いている理想と現実のギャップから生じると感じます。例えば、期日が決まっている作業で期日までに完了できないことが判明してくると、時間的プレッシャーを受けてストレスが高くなります。より良い人間関係を気付きたいと思っているが、上手くコミュニケーションが取れなければ、それだけでストレスになってきます。

ならば、理想を持っていないほうが良いかというと、ストレスは感じないかもしれませんが、あまり成果を得られなくなります。時間的ストレスがなけれぱ、全てが先送りされて何も達成できません。理想を持ってほどほどのストレスを感じるほうが、使命感に突き動かされて張り合いがあります。そのため、理想や次の目標を何処に置くかが重要になります。

ストレスを解消せずに蓄積していくと、身体のだるさや疲労、食生活の乱れ(食欲低下、過食)から始まって、交感神経が緊張して、不眠、うつ、ノイローゼ、そして免疫能力が低下して、実際の心臓や胃の病気を発症します。まさに負のスパイラルに陥ります。

ストレスをコントロールすることは、理想や目標を意識して、少し頑張って背伸びすれば届くレベルを設定することであるとも言えるかもしれません。理想や目標を見失っていると、漠然とした不安から逆にストレスに苛まされることになります。

ストレスの防衛反応、その後の病気発症へのメカニズムについて、脳科学からの説明が一番納得させられたので、紹介しておきます。理解していれば、ストレスによる身体の異変を感じたら、自らの身体に何が起こっているのかを冷静的に把握できると思います。

過剰にストレスを受けると、神経伝達物質であるノンアドレナリン(noradrenaline)が分泌されます。ノンアドレナリンの分泌は生存本能であり、危機を察知すると、交感神経を刺激して心拍数と血圧を上昇させて、覚醒、集中、判断力の向上、痛覚の遮断などの効果をもたらし、脅威に対抗する働き(闘争か逃避)をします。

ノンアドレナリンが適度に分泌されていれば、適度の緊張感を与え、意欲を高める効果があります。ただし、深刻なストレスによって乱され、過剰に分泌されると、イライラと落ち着きなくなり、キレたり攻撃的になってきます。その状態が続くと、ノンアドレナリンが枯渇して、意欲や判断力が低下、無気力、無関心となります。まさに躁鬱病における躁(そう)そして鬱(うつ)の状態です。

そうならないように、他の神経伝達物質であるセロトニン(serotonin)は、ノルアドレナリンの暴走を抑え、心のバランスを整える作用のある物質です。別名を「癒しの物質」とも言われています。セロトニンを活性化するためには、日光を浴びる、リズム体操、咀嚼が重要とのことです。

ストレスによるリスクを理解して、現状の状態を把握をするとともに、解消する手段を持っておくことが、現代を生きていく上で必要なことであります。


参考文献