チーム・マネジメント

有人宇宙の運用管制から、チームマネジメント、人間-機械システム、そしてヒューマンファクターズを考える

問題の核心に迫る "なぜ" × 5 【なぜなぜ分析】

トヨタ方式のカイゼンの一つとして、「不良品が出たのはなぜか、『なぜ』を5回考えろ」という考え方が良く知られています。『なぜなぜ分析』とも呼ばれています。単純ですが、極めて有効な手法です。

国内のみに限らず、アマゾン創業者ベゾスも、配送センター訪れた時、契約社員がコンベアベルトで指に重傷を負ったことを聞き、事故の根本原因を突き止めるため、その場にあったホワイトボードで『なぜなぜ分析 (英名 : Five Whys)』を行っています。海外でも有名な手法となっています。

解決すべき問題は疑問形すなわち5W1Hで表すことができます。5W1Hを言うまでもないですが、Why(なぜ?)、What(何?)、Where(どこ?)、Who(誰?)、When(いつ?)、How(どうやって?)です。先ず、問題は何? Whatを用いて定義することになります。

そして、Where(どこ?)、Who(誰?)、When(いつ?)、How(どうやって?)は、問題を具体的に分析するために用いられる問いとなります。その答えは詳細な分析結果になります。それに対して、Why(なぜ?)だけが問題の本質を問いかけることができます。Why(なぜ?)は問題を上位概念で捉えて、同様な問題を事前対処することができます。

5回の根拠はないと思います。何度も深くなぜを考えることによって、因果関係を解明して、何層か高い上位概念すなわち核心に到達することができます。目先の失敗やミスなどを減らす対応だけでなく、そもそも問題の発端となった原因は不必要で無くせるかもしれません。

日本語で『なぜなぜ分析』を進めるとき、曖昧な表現を避け、主語や述語そして目的語を意識して、不要な形容詞は削除したほうが良いでしょう。述語で用いる動詞に、時間による変化や形態、場所での違い、時間や量に関わる表現を付け加え、意味を更に明確にすべきです。

『なぜ』を5回考えて問題の核心に迫った後、What(何?)、Where(どこ?)、Who(誰?)、When(いつ?)、How(どうやって?)を用いて、解決方法を具体化していきます。具体案が現実性を帯びていなければ実行性がなくなります。現場のメンバーに積極的な支援を求めて、実行性の高い問題解決案を策定すべきでしょう。

f:id:fujihisa:20150716082831p:image

参考文献