チーム・マネジメント

チームマネジメント、人間-機械システム、そしてヒューマンファクターズを考える

業務におけるマニュアルの必要性を省みる 【作業標準】

今日では業務を進めるに当たり、細かな仕事までマニュアル化が進められています。マニュアル至上主義やマニュアル否定など様々な見解がありますが、明らかにマニュアルによる有効性と弊害は認識しておく必要があります。

マニュアル(Manual)には、「手動による」との意味もあり、現在では珍しくなったMT(Manual Transmission)車をマニュアル車とも呼んでいます。説明するまでもないですが、ここでマニュアルとは「取扱い説明書」や「手引き書」のことを示しています。英語では、Handbook(ハンドブック、手引き)、Instruction(使用説明書、指示書)、Procedure(手順書)も使われます。

経験が浅い人でも、マニュアルに従って仕事を進めれば、必要とされる成果を出せることは事実です。反対に、詳細な動作までマニュアルに規定して順守を求めれば、官僚的で硬直的なチームとなっていくことは目に見えています。
コンチネンタルの就業規則は、ゴミ以上に始末が悪かった。誰もが誰をも信用していない組織の末期症状ともいえるが、じつにつまらないことまで規則に定められていた。・・・私はCEO執務室のドアを蹴飛ばすとすぐに、就業規則を持って駐車場に集合するよう声をかけ、集まった従業員に、手にもった紙屑を燃やすように指示した。私はそれから、マニュアルに縛られず、自分の判断で問題を処理するよう、現場に指示を出した。・・・それから、マニュアルを全面的に見直し、「べからず集」ではなく、判断の助けになるガイドラインを作成する特別チームをつくった。   コンチネンタル航空CEO ゴードン・ベスーン
マニュアルに対する認識として、逸脱することができない規則ではなく、比較的に良い(better)方法を記載したガイドライン又は作業標準と捉えるべきかもしれません。時や場合によって最良な(best)方法は変わりますので、完璧なマニュアルを作成することはできなく、いつ誰が行っても70点は取れるマニュアルを作成すべきなのかもしれません。

そのように考えると、マニュアルを参照しながら自分で考えて基本を応用して、残り30点を追加しなければ最良な仕事にはなりません。マニュアルも改善の余地がありますので、日々の業務で維持改訂していかなければなりません。マニュアルは仕事の方法を限られた文書や図表で表したものであり、誰が読んでも理解できなければなりません。

したがって、予めにマニュアルを維持改訂する仕組みを決めておき、最新のマニュアルを業務に活用していくべきでしょう。例えば、業務に反映する前に改訂内容や追加事項を複数のメンバーでレビューして、可能ならば多くの視点すなわち新人やベテランに依頼して、不明確な部分や誤解を生じる部分は見直します。最終的にチームリーダーの承認を受けて、改訂内容をメンバーへ周知します。

マニュアルを活かすためにも、逆にマニュアルに書かれていない、作成された意図、基本的な考え方、何故そのような方法が必要なのかを学びとり、よく考えて、そして評価して、改善点があれば修正していかなければなりません。


参考文献