チーム・マネジメント

チームマネジメント、人間-機械システム、そしてヒューマンファクターズを考える

会話における第一人称の重要さ

チームとして活動しているとき、何気ない会話においても第一人称の使い方でチームとして一体感が出たり、コミュニケーションに壁ができたりします。特に作業場所が隔てられ、音声のみで調整する場合には、特に第一人称を意識して会話することが重要です。


宇宙に滞在している宇宙飛行士は、コミュニケーションに問題を抱えると、地上管制センターから隔離された気持ちになるそうです。問題が悪化すれば、地上管制センターを『彼ら』『あちら』と呼ぶようになり、ますます壁が立ちはだかり、「我々(宇宙飛行士)は味方」「彼ら(地上)は敵」のような心理状態になる危険性があります。


チームの一員とて発言する場合、『わたし』よりも『我々』『私たち』を用いるほうが、無意識にでもチームの目的を踏まえ、チームがどうするのかを考えて行動することになります。確かに自分の主張ならば『わたし』と言うべきですが、その途端に『わたし』と『あなた』という壁が間にできます。日本語の会話では特に第一人称が省略されがちなので、癖になるくらい『我々』『私たち』を始めに言うようにしたらどうでしょうか。


逆の見方をすれば、会話における第一人称を聞いただけで、チーム内の信頼関係がわかってしまうかもしれません。信頼関係を維持するのは、日頃から肯定的ストローク(Stroke)を相手に与えることが重要です。ここでストロークとは、心理学の交流分析(Transactional Analysis)における『相手の存在や価値を認めること』を示しています。肯定的ストロークであれば快い感情となり、否定的であれば不快な感情を与えることになります。誰だって嫌なことを言われれば、避けるようになり、本音で話さなくなりますし、そして防護壁を構築します。


信頼関係を築いて、メンバー間の垣根を取り払い、一つのチームとして機能すれば、いざ危機的な事態が訪れても対処できます。信頼関係が崩れていれば、素直な意見のやり取りができず、結束が必要とされる時にメンバーがバラバラとなり、チームも崩れ去ってしまいます。第一人称の使い方を確認して、必要ならば早めに修正していきましょう。



参考文献