チーム・マネジメント

チームマネジメント、人間-機械システム、そしてヒューマンファクターズを考える

大規模システムを管理するには 【コンフィギュレーション】

宇宙システムに関わるようになってから、コンフィギュレーション(Configuration)との用語を頻繁聞くようになりましたが、最初は明確な意味がわかりませんでした。辞書を引いてみると、コンフィギュレーションとは「要素・部分の相関位置、配置。電算機でデータ処理組織を構成している機械・装置などのまとまり(現代カタカナ語辞典)」とあります。英語の直訳でよく分かりません。

 

システムが高度化かつ複雑化するにつれて、構成する要素も多種多様となります。自動車ならば2~3万個の部品、航空機については100万個の部品、スペースシャトルを構成するのに250万個の部品が必要となります。システム構成要素の詳細に渡るまで全てを識別することは不可能です。システム設計を通じて要求・仕様が明確になってきますが、具体的な製品を特定する必要はありません。例えばバッテリーを組み込む必要がある場合、開発初期からどのメーカーやどの型番等まで指定する必要はなく、バッテリー容量、サイズ、インタフェース等を定義しておけば、システム開発を進めることができます。

 

システムのライフサイクル すなわち 設計、製造・試験、運用そして廃棄において、システムの構成要素、機能・性能要求、インタフェース等を識別し、定義したものがコンフィギュレーションであると理解しました。コンフィギュレーションは、対象が違えば当然異なりますし、自然と決まるわけではなく、定義しなければなりません。

 

設計フェーズが完了すると、システム要求・仕様が固まり、一通りのコンフィギュレーションが定義されます。このコンフィギュレーションをベースラインとして製造が着手されます。設計結果は仕様書、図面、インタフェース管理文書等へ文書化されます。

 

その後に設計変更が生じた場合、確実にコンフィギュレーション定義文書へ反映しなければなりません。例えば、コネクターの形状を変更したが管理されておらず、2つの部品を接続できないなどが生じます。変更要求(CR: Change Request)を管理し、最新状態にコンフィギュレーションを維持し、記録するプロセスをコンフィギュレーション管理(CM: Configuration Management)と呼んでいます。

 

チームメンバーが使用するシステム、チームが組み込まれるシステムに対する変更要求が提出された場合、機器の操作方法、仕事のプロセス・やり方、要求・調整先が変更される可能性があります。コンフィギュレーション管理のステータスを把握し、チームとして変更要求を評価する必要があります。

 

システム運用において、不具合を受けて冗長系への切り替えや機能制限、環境の変化を受けて、システムのコンフィギュレーションを変更しなければならないことがあります。一時的または一部のサービスが提供できなくなるため、ユーザーとの事前調整が必要となります。

 
 
参考文献
 
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STS-127 (ISS Assembly Flight 2J/A) 

Credit:NASA