指揮官は必要であるのか? 階層が少ないフラットな組織に移行してきました。実現できるのは情報通信技術(ICT)の進歩によって、リーダーから多くのフォロワーへ情報連絡が可能となり、事務手続きが紙媒体の申請書から電子的に処理できるようになってきたこと…
イノベーションの機会は通常、現場に近いところで見出される。それは、計画屋が対象とする膨大な総体ではなく、そこから逸脱したもののなかに見出される。予期せぬ成功や失敗、ギャップ、ニーズ、「半分入っている」から「半分空である」への認識の変化に見…
2003年2月1日、世界に衝撃が走りました。7名の宇宙飛行士(Rick D. Husband, William C. McCool, Michael P. Anderson, David M. Brown, Kalpana Chawla, Laurel Blair Salton Clark, Ilan Ramon)が搭乗して地球へ帰還途中であったスペースシャトル コロン…
ライトスタッフ(Right Stuff)とは、ある分野・状況に不可欠な資質、必要な条件(勇気・自信・信頼性、忍耐力、大胆さなど)を表す言葉です。トム・ウルフ(Tom Wolfe)が著したドキュメンタリー小説「The Right Stuff」が1979年に出版され、1983年には映画にな…
経験を積んで、その道に熟達している人をベテラン(veteran)と呼んでいます。米国において単に"Veteran"と呼んだ場合、退役軍人を示し、日本語の古兵(ふるつわもの)が英語の意味とも一致しています。我々が通常使っているベテランはどちらかと言うと和製英…
意思決定において、行動を決行するのか、中止するのか、判断に迷うことがあります。失敗が判明した後に元の状態に戻れるならば、先ずは実行してみて反応を見ることができます。失敗と判れば、直ぐに引き返し、影響は最小限に抑えられます。しかし、不可逆的…
人間は宇宙船の助けなしで宇宙では生存すことはできません。超真空の宇宙空間では、身体を構成する体組織も瞬時に分解して蒸発してしまいます。気圧を保つ容器(Capsule)内に留まることが必須となります。呼吸を維持するためには、酸素の供給を受けて、吐き出…
世界中が混沌として見通しが立てられなくなってきました。全てが目先の短期的な利益だけを求めて動いているようです。ICT(情報通信技術)が発展して、世界中を情報が駆け巡り、世界は狭くなった感じがします。地球の裏側で生じた事件が身近な生活までも脅か…
「水五訓」一、自ら活動して他を動かしむるは水なり一、障害に遭って激しくその勢力を百倍にして得るは水なり一、常に己れの進路を求めてやまざるは水なり一、自ら潔うして他の汚濁(おだく)を洗い、清濁(せいだく)併せ容れるは水なり一、洋々として大海…
1950年代から1970年代、覇権をかけて宇宙開発競争(Space Race)をアメリカ合衆国とソビエト連邦の間で繰り広げられました。第二次世界大戦において実戦配備したロケット技術をドイツ(ナチス)が保有していました。ドイツ敗戦後、ロケット技術を米国とソ連が…
宇宙機(Spacecraft)を運用するということは、手元にない見えないシステムを理解し、システムの挙動を想像して、指令・コマンド(Command)を送り、その反応を遠隔データ・テレメトリ(Telemetry)から判断する必要があります。そのようなシステム運用の担い手が…
正しいプログラミング(またはコード)を書いてあげれば、コンピュータは人間以上に正確に単調な計算も処理することができます。プログラマ(人間)が指示したことを実行するため、間違えること(バグ)も指示した通りに実行されます。IT(Information Techno…
原始の生命が彗星に乗って地球に到来したことについて述べました(以前の記事)。生命とは何であるかという問いについて明確な定義はありません。ジョイス(Joyce)の定義、コシュランド(Koshland)の定式化などが提唱されています。事実が物語っているのは、生…
人間が関与する大規模のシステムを見続けて、最も衝撃的な事故は福島第一原子力発電所事故です。教訓は将来に渡って引き継がれなければなりませんが、戦争や震災などの記憶と同様に薄れて忘れて、再び悲劇が生まれてしまいます。 福島第一原子力発電所事故が…
無重力状態は、私たち地球の住人にとって、いささか奇妙なしろものにはちがいない。しかし人間の身体組織は、手足がめっぽう軽くなったと感じながらも、すぐそれに順応する。そのときの私の状態を話そう。私はふわりと座席から浮きあがり、キャビンの天井と…
46億年前に地球が形成され、地球上において生命が誕生し、進化してきたと信じてきました。地球誕生当時、超高温で灼熱の大地であり、有機物は存在できないほどでした。もちろん生命も生存できません。その後、原始の大気と海をつらぬく稲妻による放電によっ…
自分と他人を分ける自己を認識し、自ら行動する主体として自我が形成されます。哲学や心理学における問いの始まりかもしれません。デカルト(Descrartes)の『我思う、故に我あり』、パスカル(Pascal)の『考える葦』として示されています。哲学を語るほどの教…
価値や成果を生み出している場所は「現場」です。日本語の「現場」を端的に表している英語はないかもしれません。"Field"や"Site"なども場所の意味しか表していません。最前線(Front Line)は現場の意味合いが若干含まれています。現場という考え方が日本独自…
自然を満喫するためにキャンプに出かけようとして何を携帯していきますか? せっかくオフラインになれる機会ですが、スマートフォンを家に置いておくことはないかもしれません。電池性能も向上して、充電切れをあまり気にしなくても良くなりました。そして、…
乱数(Random Numbers)というと誤った数と受け取れますが、数学では「0から9までの数字がそれぞれ同じ確率で現われるように並べられた数」と定義されます。乱数を眺めていると完全に無秩序のように見えますが、それぞれの数の出現回数を比較すると同じとな…
かつて私は、戦略という言葉を使うことをためらった。軍事の匂いが強すぎるといわれたからだ。だが考えは変わった。プランが知的な遊びに終わっていることが多いことに気づいたのだ。綺麗に綴じて棚に置き、それだけで素晴らしいことを行った気になっている…
人間が懐く情動の1つして「おそれ(恐れ、怖れ)」があります。あまりにも日常的に感じ、当たり前すぎる感情かもしれません。私たちの日常において多大な影響を与えている感情ですが、実体は何ものなのでしょうか? おそれる(恐れる、怖れる)① 身に危険を…
新聞やニュース、日常において聞かないことがない言葉に「責任」があります。当たり前の言葉と考えていましたが、本質まで問い詰めるとよくわからなくなりました。広辞苑では、①人が引き受けてなすべき任務、②政治・道徳・法律などの観点から非難されるべき…
宇宙において核分裂・核融合は常にどこかで行われている事象です。地球上で私たちが恩恵を受けている太陽からのエネルギーは、太陽が水素をへリウムに変える核融合反応によって生成されています。太陽サイズの恒星の寿命は100億年と推定されており、太陽誕生…
集団(Group)は、人々が集まった団体であり、ある機能(生産的である必要はありません)を持っています。そして、所属する構成員の間において相互依存の関係があることも特徴です。歴史は人が群れ(集団)を作って行動してきたことを物語っており、集団では漠…
数学を通じて論理思考が強化されるはずですが、試験のために答えを導き出す力のみを鍛えています。しかしながら、社会には正解のある問題はありません。中学数学における証明問題で、「ゆえに」の意味で《 ∴ 》の記号、「なぜなら」の意味で《 ∵ 》の記号を…
「太陽系の中で地球はどのように運動しているのだろうか?」 古代の天文学者も長年に渡って思索していた問いです。物理学、天文学、又は宇宙工学を学ばれた方ならば、ケプラーの法則はご存じだと思います。ケプラーの法則は、ヨハネス・ケプラー(Johannes Ke…
医師は人の痛みを取り除く職業である。当然、世のため人のための思いがなければ医師であってはならないとさえ思う。「この人を絶対に助ける」という、熱い思いを持って、真剣勝負をしなければならない。熱い思いで一生懸命になることが大切なのは、何も医師…
1950年代にドラッカーが知識社会(Knowlege Society)の到来を予想し、知識労働者(Knowledge Worker)との用語が生み出されました。ドラッカーは、知識が価値を生む社会との説明だけではなく、高い割合の子供たちが進学して知識労働者が増えることも指摘してい…
1月27日でアポロ1号火災事故(以前の記事)から半世紀(50年)が経過しました。歴史を感じますが未だ半世紀なのかとも思います。そして、1月28日にはチャレンジャー号爆発事故、2月1日にはコロンビア号空中分解事故が起きており、1月末は有人宇宙において重…